個人事業主や副業の「事業所得」の判断基準とは?

確定申告

個人事業主や副業の「事業所得」の判断は、税務署が決めます。
税務署が判断基準を示していますが、最終的には収入の性質や活動内容を総合的に考慮して決まります。

つまり、売上が小さいうちは、「税務署に確定申告を提出してみないとわからない」という事なんですね。また、青色申告の控除を受けるためには「開業届」を出す必要があります。

また別途注意する点として、副業として開業届を出すと失業保険がもらえないので、失業保険をもらう予定の場合は雑所得として確定申告しておくのが得策ですね。

失業保険をもらう予定の人は開業届を出すともらえなくなるので注意が必要です!

とはいえ!

すでに開業届を出しており、サラリーマンとしての収入が無いフリーランスの場合は、たいていが事業所得になると言われています。

この「事業所得か雑所得か?」の話はこの青色申告の控除のスキームを悪用したサラリーマンの節約に使われたため、このような判断基準が出来ました。

ですので、収入がフリーランスとしての収入のみの場合は、よほどではない限り確定申告で事業所得と否認される事はありません。

開業届を出してあり、副業で収入を得ているサラリーマンで、青色申告控除をする場合のみ注意が必要です!

事業所得か雑所得かの判断基準

事業所得か雑所得かは、以下の基準を基に判断されます。

(1) 独立性

  • 事業所得: 他人に雇われていない独立した経済活動であること。
  • 雑所得: 他者の指示や管理のもとで得た報酬や副次的な収入の場合。

(2) 継続性

  • 事業所得: 継続的・反復的に行われる収入が対象。収入を得るための活動が定期的に行われていること。
  • 雑所得: 一時的または単発の収入の場合。

(3) 営利性

  • 事業所得: 利益を目的とした計画的な活動であり、収益が事業規模で発生していること。
  • 雑所得: 趣味や副業程度で、営利目的が薄い場合。

(4) 規模の大きさ

  • 事業所得: 一定規模以上の収益があり、事業として認められる活動。
    • 仕入れや設備投資、広告費などの経費が発生しているか。
    • 顧客や取引先が存在し、営業実態があるか。
  • 雑所得: 小規模な活動で、生活の主な収入源と見なされない場合。

(5) 活動の内容

  • 事業所得: 専門性や特定のスキルを持ち、提供する価値がある活動。
  • 雑所得: 明確な活動内容がなく、単なる臨時収入や報酬の場合。

(6) 収入の金額

  • 事業所得: 生活費を賄える程度の十分な収入があり、主な収入源となる場合。
  • 雑所得: 収入が小規模で、本業とは別に得た副次的な収入。

具体例

それでは具体的に見ていきましょう!

ケース事業所得雑所得
物販ビジネス定期的に商品を仕入れて販売し、顧客が多数いる場合不用品をたまに販売している場合
ブログ運営やアフィリエイト継続的に運営し、一定の収益を得ている場合趣味で運営し、収入が不定期の場合
副業(アルバイト)独立したサービス提供として継続的に行う場合雇用関係や単発の報酬による収入の場合

同じ業種だとしても、事業所得になる時と雑所得となる場合があるのがわかります。

上のケースだと「継続性・反復性があり、自営の事業として行っている収入」と客観的に認められるか否かが事業所得になるのかという感じですね。

さらに、具体的に見ていきましょう!

事業所得の例

事業所得は、継続性・反復性があり、自営の事業として行っている収入が該当します。

  1. 個人事業主の飲食店経営
    • 居酒屋やカフェなどを開業し、継続的に運営する収入。
  2. フリーランスのデザイナー
    • クライアントからの依頼でロゴや広告デザインを作成する仕事。
  3. プログラマーの受託開発
    • フリーランスでアプリやシステムを継続的に開発する活動。
  4. ハンドメイド商品の販売
    • 自作のアクセサリーや雑貨をネットショップ(BASEやminneなど)で販売する。
  5. 農業所得
    • 農作物を栽培して販売することで得る収入。
  6. 個人の塾経営
    • 学生に学習指導を行い、授業料を継続的に受け取る。
  7. 整体師やエステティシャン
    • 個人経営の整体院やエステサロンの収入。
  8. YouTuberやブロガーの広告収入
    • 動画やブログを継続的に更新し、広告やアフィリエイトで得る収入。
  9. カメラマンの写真撮影
    • プロのカメラマンとして依頼を受け、撮影で収入を得る。
  10. オンライン講座の運営
    • 自分の知識やスキルをオンライン講座として提供する。
  11. 翻訳業
    • フリーランスでの文書翻訳や通訳業務を行う。
  12. ライター業
    • 記事やコンテンツを執筆し、報酬を得る。
  13. フリーのコンサルタント
    • ビジネスコンサルティングを提供し、継続的な契約で収入を得る。
  14. 作家活動
    • 小説やエッセイなどを執筆し、出版収入を得る。
  15. 美容師の独立営業
    • 個人でサロンを開き、カットやカラーで収入を得る。
  16. 運送業
    • 個人でトラックや軽貨物を使い、配送業務を行う。
  17. イベントプランナー
    • 結婚式や企業イベントの企画・運営で収入を得る。
  18. 独立したITエンジニア
    • クラウドソーシングサイトを通じて受託案件を継続的に行う。
  19. パーソナルトレーナー
    • フィットネスクラブや自宅でトレーニング指導を提供する。
  20. ネットショップの運営
    • Amazonや楽天で自社製品や仕入れ商品を継続的に販売する。

雑所得の例

雑所得は、事業所得や他の所得(給与所得など)に該当しない収入で、一時的または不定期のものが主な特徴です。

  1. 副業のポイントサイト収入
    • ポイントサイトで広告をクリックしたり、アンケート回答で得る収入。
  2. フリマアプリでの不要品販売
    • 自宅の不用品をメルカリやヤフオクで販売して得た収入(※営利目的の場合、事業所得)。
  3. 仮想通貨の売買益
    • ビットコインなどの仮想通貨を売買して得た利益。
  4. FXの取引収益
    • 外国為替証拠金取引で得た利益。
  5. 配信サービスの投げ銭
    • YouTubeライブやツイキャスで受け取った投げ銭(少額で一時的な場合)。
  6. 友人のウェブサイト制作
    • 単発で知り合いのサイトを作成し、報酬を受け取る。
  7. 一時的なコンサルティング
    • 会社の事情で短期的にアドバイスを行い受け取った謝礼。
  8. 懸賞金や競技大会の賞金
    • 競技や懸賞で得た収入(営利目的でない場合)。
  9. クラウドファンディングのリターン
    • 支援金の代わりに提供された利益が発生するリターン。
  10. 保険金や配当金
    • 個人的に受け取る保険の配当金。
  11. 講演料
    • 単発で講演を行った際の謝礼。
  12. オンラインオークションの収益
    • 短期間だけ継続したネットオークションの売り上げ(※継続性がない場合)。
  13. 短期間の執筆依頼
    • 雑誌やパンフレットに単発で執筆し受け取った収入。
  14. 不定期の通訳や翻訳
    • 知り合いから依頼され、一時的に行った翻訳業務。
  15. ストリーミングのロイヤリティ
    • 音楽や動画が配信され、スポット的に発生する使用料収入。
  16. 広告収入の副業
    • 趣味程度で行っているブログやSNSで得た広告収入。
  17. 転売で得た利益
    • 一時的に購入した商品を高く売って得た利益。
  18. 写真販売サイトの収益
    • 趣味で撮影した写真を販売し、一部収益を得た場合。
  19. 株主優待で得た金券
    • 株式保有の特典として提供される金券や商品券の価値。
  20. 貸した物品の使用料
    • 自分の所有物を他人に貸し出して得た報酬。

違いのポイントまとめ

  • 事業所得
    • 継続性や反復性があり、営利目的で事業として行っている場合。
    • 経費を差し引いた利益が所得として扱われる。
    • 確定申告で「青色申告」や「白色申告」が可能。
  • 雑所得
    • 一時的、または副業的な収入で、事業所得に該当しないもの。
    • 他の所得と損益通算ができない(※事業所得は可能)。
    • 主に「副収入」や「不定期の収益」が該当。

自分の活動がどちらに該当するのか分からない場合は、税理士や専門家に相談するのがおすすめです!

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