確定申告書Bとは?
「確定申告書B」は、国税庁が提供する申告書の一つで、主に以下の方が使用します:
- 個人事業主
- フリーランス
- 不動産収入がある方
- 複数の所得(事業所得、雑所得、配当所得など)がある方
特徴として、所得の種類に関わらず広く利用できる点が挙げられます。一方、給与所得のみで確定申告を行う方は「確定申告書A」を使用するのが一般的です。
確定申告書Bの構成
確定申告書Bは、以下の2ページで構成されています。
1ページ目:基本情報と税金の計算
- 個人情報の記入:氏名、住所、マイナンバーなど
- 収入と所得の記入:給与所得、事業所得、不動産所得など各種所得金額
- 控除額の記入:基礎控除、医療費控除、社会保険料控除、配偶者控除など
- 税額の計算:課税所得を基に所得税額を計算
2ページ目:所得の内訳と明細
- 所得の詳細な内訳を記入
- 税額控除やその他の特例を適用する場合の記入欄
確定申告書Bの記入手順
ステップ1:収入の合計を記入
まず、年間の収入額を各所得の欄に記入します。例えば:
- 事業所得:売上から必要経費を差し引いた金額
- 不動産所得:家賃収入から経費を引いた金額
- 配当所得:株式の配当金など
必要な金額は帳簿や決算書から算出し、正確に記入しましょう。
ステップ2:所得控除を計算
確定申告書Bでは、各種控除を申告できます。主な控除は以下の通りです。
- 基礎控除:48万円(令和2年以降)
- 医療費控除:年間10万円以上の医療費が対象
- 社会保険料控除:国民健康保険や国民年金などの支払額
- 小規模企業共済等掛金控除:掛金の全額が控除可能
- 青色申告特別控除:最大65万円(電子申告の場合)
控除を正しく計算することで、課税所得額を減らし、結果的に税金を軽減できます。
ステップ3:税額を計算
課税所得に基づいて所得税額を計算します。所得税は累進課税制度のため、所得額に応じた税率が適用されます。
課税所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円以上330万円未満 | 10% | 97,500円 |
330万円以上695万円未満 | 20% | 427,500円 |
695万円以上900万円未満 | 23% | 636,000円 |
900万円以上1,800万円未満 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円以上4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
住民税(所得の約10%)も同時に計算されます。
ステップ4:申告内容を確認・提出
最後に、必要書類を添付して税務署に提出します。主な添付書類は以下の通りです:
- 青色申告決算書(青色申告の場合)
- 医療費控除の明細書
- 寄附金控除の証明書
確定申告書Bの提出方法
確定申告書Bは以下のいずれかの方法で提出できます。
- 紙で提出:最寄りの税務署に郵送または直接提出
- 電子申告(e-Tax):インターネットを利用して提出
- 電子申告の場合、青色申告特別控除が10万円増額されるメリットがあります。
確定申告書Bを記入する際の注意点
- 正確な帳簿記帳 青色申告の場合、帳簿が整備されていないと控除を受けられません。
- 期限を守る 確定申告の提出期限は、原則として毎年3月15日(休日の場合は翌営業日)です。
- 控除を見逃さない 各種控除を申告しないと納税額が増える可能性があります。該当する控除がないかを事前に確認しましょう。
まとめ
確定申告書Bは、個人事業主やフリーランスの方にとって欠かせない書類です。事業の収支を正確に記録し、控除をしっかり活用することで、納税額を適正に計算できます。
提出までの流れをしっかり理解し、早めに準備を進めましょう。特に青色申告を活用する場合は、正確な帳簿記帳が成功の鍵です。
コメント