今回は、節税の知識として押さえておきたい「専従者給与」についてわかりやすく解説します。
家族に支払う給与を経費として計上することで、税金を節約できるお得な制度ですが、正しいルールに沿わないと損する可能性もあります。この記事では、専従者給与の基本からメリット、金額設定のコツ、注意点までを詳しくご紹介します!
専従者給与とは?その基本とルール

専従者給与とは、家族に対して支払う給与を特別に経費として計上できる制度のことです。本来、家族に支払う給与は経費にできませんが、一定の条件を満たすことで例外的に認められます。
専従者給与の要件
- 生計を一にする配偶者や親族であること
同じ財布から生活費を支出している家族が対象です。 - 15歳以上であること
- その年の6ヶ月以上専従していること
学生や外で働いている場合は専従者として認められません。 - (青色申告の場合)税務署への事前届出が必要
「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。
青色申告と白色申告の違い
専従者給与のルールは青色申告と白色申告で異なります。
- 青色申告の場合
上限金額がなく、柔軟に金額設定が可能です。ただし、事前に税務署への届出が必要です。 - 白色申告の場合
上限金額があります(配偶者は年間86万円、その他親族は50万円)。届出は不要ですが、自由度は低めです。
専従者給与のメリット
1. 節税効果が高い
専従者給与を経費に計上することで、所得を圧縮し、税金の負担を軽減できます。
2. 雇用リスクが少ない
家族に支払う給与なので、一般の従業員を雇うよりもトラブルや離職のリスクが低くなります。
3. 配偶者のモチベーション向上
給与を支払うことで、家族の労働意欲がアップします。生活費の一部を専従者給与として計上できる点も魅力です。
金額設定のコツ
専従者給与の金額設定にはいくつかのポイントがあります。
1. 厳選所得税を考慮する
月8万8000円を超えると厳選所得税が発生します。この税金を避けるため、月8万8000円以内に設定するケースが多いです。
2. 住民税・所得税のラインを意識する
年間103万円を超えると所得税、93〜100万円を超えると住民税が発生します。この範囲内で設定すれば、税負担を抑えることが可能です。
3. 経費計上のメリットを優先
事業の利益が大きい場合は、より多くの給与を経費として計上するために高めの金額を設定することもあります。ただし、一般的な給与相場を考慮し、常識の範囲内で設定しましょう。
注意点とよくある質問
1. 届出漏れに注意
青色申告で専従者給与を利用する場合、事前に税務署に届出をする必要があります。届出がない場合、専従者給与は認められません。
2. 申請した金額を超えない
届け出た金額を超える給与を支払うには再申請が必要です。一方で、申請した金額内であれば減額することは自由に可能です。
3. 配偶者控除は使えない
専従者給与を設定すると配偶者控除や扶養控除は利用できません。二重控除ができない点を押さえておきましょう。
まとめ
専従者給与は正しく利用することで大きな節税効果を得られる制度です。ただし、ルールを守らないと逆に損をしてしまう可能性もあります。本記事で解説した要件や金額設定のコツ、注意点を参考に、ぜひ賢く活用してください!
コメント