青色申告をする個人事業主やフリーランスの方にとって、青色申告特別控除は大きな節税メリットをもたらします。この特別控除額は、最大で65万円となりますが、条件を満たさない場合は55万円に減額されます。
近年、政府は電子化を推進するため、電子申告(e-Tax)の利用を条件として、この特別控除の増額措置を設けました。本記事では、この仕組みや具体的な条件について詳しく解説します。
青色申告特別控除とは?

青色申告特別控除は、青色申告を行う個人事業主が適切に帳簿を作成し、税務署に申告することで適用される控除です。
控除額
- 最大65万円の控除:電子申告または電子帳簿保存を行う場合。
- 最大55万円の控除:紙での提出や、電子申告を利用しない場合。
控除額の違いは、電子申告の利用有無によるものです。

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電子申告で控除が増える理由
政府は税務行政の効率化を図るため、電子申告(e-Tax)や電子帳簿保存の普及を進めています。これにより、税務署側の作業負担が軽減されるとともに、申告者側にも以下のような利便性があります。
- 提出がオンラインで完結するため、税務署へ出向く必要がない。
- 書類の紛失リスクが減る。
- 修正申告や追加資料の提出もスムーズに行える。
このような背景から、電子申告を利用する申告者に対し、控除額を10万円増額するインセンティブを設けています。
電子申告で65万円控除を受けるための条件

65万円の控除を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
1. 正規の簿記(複式簿記)で記帳していること
青色申告特別控除を受けるには、複式簿記で帳簿を作成し、正確な決算書(損益計算書や貸借対照表)を作成することが必須です。
2. 電子申告(e-Tax)を利用すること
確定申告書をe-Taxを通じて提出する必要があります。
- e-Taxを利用するには、事前に税務署で利用者識別番号の取得やマイナンバーカードの準備が必要です。
- e-Taxソフトまたは国税庁の「確定申告書作成コーナー」を利用して申告できます。
3. 期限内に申告を行うこと
期限を過ぎると控除額が減額されるため、毎年3月15日までに申告を完了させることが重要です。
電子申告を利用しない場合(55万円控除になる場合)
紙で申告書を提出した場合や、e-Taxを利用しなかった場合、青色申告特別控除は55万円に減額されます。
ただし、以下の条件を満たせば55万円の控除は受けられます。
- 正規の簿記で記帳していること。
- 青色申告決算書を添付すること。
実際の控除額の差
電子申告を利用するかどうかで控除額が変わるため、課税所得に応じた税額にも大きな影響があります。以下は例です。
- 課税所得500万円の場合(所得税率20%)
- 65万円控除の場合:13万円(65万円 × 20%)の節税
- 55万円控除の場合:11万円(55万円 × 20%)の節税
- 節税効果の差額:2万円
電子申告を行うだけで、手間が軽減される上に税額がさらに軽減されるというメリットがあります。
電子申告の始め方
電子申告は一度仕組みを整えると、次年度以降の手間が大幅に減ります。以下の手順で準備を進めましょう。
- 利用者識別番号を取得
- 税務署またはオンラインで取得可能です。
- マイナンバーカードを準備
- e-Taxでの本人確認に必要です。
- e-Taxソフトまたは確定申告書作成コーナーを利用
- インターネット上で申告書を作成し、オンラインで提出します。
まとめ
電子申告を利用することで、青色申告特別控除を最大限活用し、65万円の控除を受けられます。電子申告の導入には多少の準備が必要ですが、その後の手続きがスムーズになるだけでなく、紙の申告よりも節税効果が高まるため、ぜひ挑戦してみてください。
電子化が進む現代では、これがスタンダードな方法となりつつあります。事業の効率化と節税の両立を目指し、電子申告の利用を検討しましょう!
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